AZUMAs式デッサンで老爺を描く

AZUMAs式デッサンで老爺を描く





1 形を70%で描く

はじめに形を取るときは薄く、細く、最小限の線であたりをつけます。この時に完璧主義になりすぎず、本質を描くことが大切です。どこまであたりをつけるかに関しては、自分が必要と思う線を描きます。モチーフを線で捉えるのではなく、立体的なものとして面で捉える必要があるため、とても重要なのは明部と暗部の境界線です。




2 少し軽く塗ってみる

塗る順序は最重要なところから塗っていきます。そう考えると肖像画を描くときは目、鼻、口といったところになります。




3 タッチの方向を考える

タッチの方向を質問してくださる生徒さんが結構いらっしゃいます。そのタッチの方向で重要なのは何かしらの意味があることです。筋肉だったり、質感だったり、省略だったりと意識してタッチの方向を主観的に感覚的に判断し選ぶという行為は芸術制作において面白いところだったりします。




4 白いところと黒いところ

一番白いところはどこか、一番黒いところはどこかを考える。白さを強調するために補完の黒を利用しなければいけません。当たり前だけどみんなできていないことが多いです。知っているけど分かっていない状態です。

少し話が脱線しますが、普段皆さんが受けている芸術教育の在り方としても本質を見る必要があると思います。芸術教育の本質は芸術を理解し上達した上でそれを享受し、自己表現することです。

ただ先生が一方的に知識を生徒に教え、生徒が聞くだけでは意味がありません。たしかに先生から多くの知識を言われると得した気分になるかも知れません。しかし、それは知ることになりますが、完全に理解することではありません。だからこそそういう場合は実際絵を描いてみて実践できない人が多いです。

実践できてない原因は受動的に偏った指導を受け、グライダー人間のようになり、それをあたかも分かったという自己満足の幻想を持ち自分自身が飛行機人間と勘違いしているからだと思います。
今回グライダー人間は自分で飛ぶことができない人のこと、飛行機人間は自分で飛ぶことができる人のこととして定義しています。
飛行機人間になるとなんでもうまく描くことができると思います。
飛行機人間になるためにまず自分で手を動かし悩み、試行錯誤して自分なりの表現しやすい方法を模索する必要があります。その後で先生から言われた一言を本当に”分かる”と思います。
授業中に質問はありますかと皆さんによく問いますがその時に質問が浮かぶ人は考えている人だと思います。質問が浮かばないのは仕方ありませんが、その状態はおそらく絵を描く量が少なすぎて、まだ”考える”という土台にのっていないと思います。

僕が3カ国語を話せるようになった経験から分かることは、やはり筋トレのように量が必要だということです。

例えば週1回3時間で一年かけて絵を上達させることはできますが、モチベーションを維持し続けることは想像よりも簡単ではありません。モチベーションは楽しいという享受、上達しているという実感から保つことができると思います。そのため、描く量が少なく上達しているという実感が薄いとモチベーションは下がっていきます。
ある生徒さんで田中さんという方がいますが、彼のように毎日少しずつ描きいっきに上達させて、一つの土台にのり、考え、享受しながら極めていく方法でモチベーションを保つのがおすすめです。


ただ、人それぞれ性格や考え方が違うので断定はできませんが。



5 明度の幅を広げる

明度の幅を広げることで作品に深みが生まれます。立体的に表現したいのならば線は存在しないことを知り、面で捉えて描くことを意識しましょう。




6 完成

人は自分が絵を上手くかけているという感情をどのように設定しているのか?どのくらいまで描ければ上手くなったと言えるのか?やはり皆比べています。自分の過去と比べたり、周りと比べたりして価値を見出している人が多い気がします。もし周りと比べるならば下手な人の中で絵を描くことで優越感を得られるかもしれません。

果てしなく深い芸術を追求し本当に上手くなることを目指し芸術の道に迷うか、絵が上手く描けない人が集まるところで自分は絵が上達していて上手いと幻想を抱き優越感を得て価値を見出すか、またその中間的思想でバランスをとるか、絵は自由でもともと比べるものでないと達観し割り切るか。

どれを選び自分なりに芸術を楽しみ続けていくのかは人それぞれで難しいものです。
それも含めて芸術を学ぶことは面白いと思います。

大阪絵画教室AZUMAs

0コメント

  • 1000 / 1000

絵画教室AZUMAs 東大阪校